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【臨床心理士 講座】「流れについていけない子」との関わり方〜こんな子いませんか①〜

「流れについていけない子」との関わりで大事なのは、こどもが見通しをもてるように事前に工夫すること、こどもが理解しやすいように落ち着いて話をすることです。このノートでは、幼稚園や保育園の生活の「流れについていけない子」について、その理由や対応について書きますので、少しでも日々の保育の参考になれば幸いです。

流れについてけない子の様子

外遊びをした後、お昼の時間になったら、ほとんどの子が部屋に移動できるのに、ひとりだけ流れから外れて外遊びを続けている子はいませんか。
あなたが声をかけても、自分のやりたいことを無理やりに通そうとしたり、うまくいかないと泣き出すことがあるかもしれません。

そんな子は、まるで大人に反抗し、自分勝手にしているようにみえてしまいます。

なんでそうなるの?

とうぜん、こどもは大人に迷惑をかけたいわけではなく、自分勝手にしたいわけでもありません。

目の前のことに一生懸命になって周りに意識が向けられなくなっていたり、自分のいましていることに集中することで安心しようとしているのかもしれません。

流れに乗ることが苦手な子のなかには、人に関心を向けることが苦手な子もいます。その場合、あなたがいろいろ話している声も集中して聞くことができません。

泣いている女の子

対応方法(考え方)

はじめからこどもが流れに乗りにくいことがわかっているなら、事前にわかりやすく保育園や幼稚園の流れを伝えておくことです。
視覚的な工夫、たとえば表などにして、いまどの時間で何をすべきなのかがわかるといいかもしれません。生活の流れが具体的に見通せることで、こどもは負担なく、安心して生活することができます。

こどもが生活の流れからそれてしまったら、大人が焦ったりイライラしてしまうかもしれません。でもそれは、こどもには関係のない大人の都合なので、まずは落ち着いてゆっくりと言葉かけしましょう

そのとき、こどもが何に関心を向けているのか確認することからはじめます。こどもをコントロールすることよりも、こどもを理解することが目的にならなければなりません。

「なんでだろう?」と、こどもを理解しようする姿勢は、こどもが大人に関心を向けるきっかけになります。こどもが大人に関心を向ければ大人の話を聞きやすくなります。

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この記事を書いた人

川北 一征

川北 一征

臨床心理士・公認心理師

臨床心理士・公認心理師。1988年生まれ。大阪府出身。大学院終了後、児童福祉施設の心理士として勤務。こどもの心理治療や保護者、保育士の相談業務に携わっている。一男の父。

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