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【臨床心理士 講座】「注意が向かない子」との関わり方〜こんな子いませんか③〜

「注意が向かない子」は就学以前では見過ごされがちです。大人の気づきがまず大切です。このノートでは、保育園や幼稚園で話を聞いていなかったり、聞いているようでまったく関心を向けていなかったりする子について、その理由や対応について書いていきますので、少しでも日々の保育の参考になれば幸いです。

注意が向かない子の様子

呼んでもなかなか気づかない子はいませんか。年長のクラスになると、集団で話を聞くことも増えてきますが、ひとりだけ大人の指示がはいっていないことがあります。
落ち着きがないわけではないのですが、集中力はありません。いまこれを見てほしいというときは、ボーッとしているようなときもあります。

この様な子は、やる気がないようにみえます。何を考えているかわかりません。なんども声かけをしないといけない事態になると、大人もいらだってしまいます。

なんでそうなるの?

注意集中と一口にいっても、いろんな力が必要です。

注意集中する『ポイントを固定することが苦手』な場合もあれば、その『ポイントの必要な範囲だけにしぼったり、あっちとこっちに意識をむけるという様な注意を分割したりすることが苦手』な場合もあります。その注意集中を『維持することが苦手』な場合もあります。

その子がどのように苦手なのかはなかなかわかりません。しかしどの子も、やる気がない、なにも考えていないわけではありません。

顎に手をあてる女の子

対応方法(考え方)

はじめににも書きましたが、この様な子は就学以前では見過ごされがちです。あれ?とあなたが感じてこどものために何かを取り組んでいることが、こどもにとってとても重要です。

注意集中の力を伸ばすためには、まずこどもが注意集中を向けてほしい大人、つまりあなた自身に興味をもっていないとはじまりません。そのためにはあなたもこどもに興味関心を向けることが大切です。

何が好きで、どのようなことなら関心を向けるのかがわかれば、取り組みの検討もより具体的に進められます。そして、注意集中するポイント(方向と範囲)が明確でシンプルになっていること、可能なかぎり注意集中をうながす時間は短くすることが大切です。

とくにポイントの範囲は、こどもに声をかけるとき抜けてしまわないでしょうか。「こっちだよ」、「ここです」など方向が明確になっていても、そこを起点にして全体をぼんやりみていたら情報ははいってきません。

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この記事を書いた人

川北 一征

川北 一征

臨床心理士・公認心理師

臨床心理士・公認心理師。1988年生まれ。大阪府出身。大学院終了後、児童福祉施設の心理士として勤務。こどもの心理治療や保護者、保育士の相談業務に携わっている。一男の父。

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