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【臨床心理士 講座】消極的な方との関わり方〜保護者との連携②〜

このノートでは、保育士との関わりに消極的で、コミュニケーションが成り立たない保護者の方について、その理由と対応についてまとめています。こちらが消極的な人だと思ってかかわってしまうと、ますますコミュニケーションが不安定になってしまいます。共有すべきことは何か、まずしっかりと整理しておくことが重要です。

消極的な方の様子

こどもの様子について共有したくても、どこかそっけない人はいませんか?誰に対しても感情を表さない人もいますが、中には実のこどもとのコミュニケーションは積極的にしている方もいます。

そのような場合、わざわざ自分達との関わりは無視されているような気がします。あんがい、攻撃的な方との関わりよりも保育士として関わりづらさを感じます。

どうしてそうなるのか

もともこもない言い方をすれば、そもそも人と話すのが苦手という場合が考えられます。もしかしたら、言葉の理解が苦手で、話すのが億劫になっているのかもしれません。

理由に心理的な背景があるとすれば、攻撃的な方と同様、他者から批難される、攻撃されるという不安があると考えられます。

無表情な女性

対応方法(考え方)

言葉の理解の問題であれば、『なるべく平易な言葉で具体的に説明します。文章は短く、内容を絞って伝えることが重要』です。保護者の方に何を伝えたいのか、何を教えてほしいのか、どうして欲しいのか具体的に説明することが大切です。

相手からの反応がないからといって、何も声をかけないのはよくありません。日頃からの何気ない声かけから、どのようなテーマであれば関心を向けてくれるか理解しておくことも役に立ちます。ただし、消極的な方の心を無理にこじ開けようとしても上手くいきません。

必要最低限これだけは共有すべきという問題を、私たちがはっきりと理解しておくことが必要です。そして言葉の理解に問題がないとしても、具体的な説明が必要です。

攻撃的な方と同様に、消極的な方とのコミュニケーションでは、こちらが変に気をつかってしまいがちです。しかしそれはかえって相手の緊張を高めることに繋がりかねません。相手に合わせて言葉を選ぶことは前提として、共有しにくいことや聞きにくいことこそ、優しくもはっきりした口調で伝えることがいいかもしれません。そうすることで、保護者の方も責められているという感じがなくなり、共有することのハードルが下がります。

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この記事を書いた人

川北 一征

川北 一征

臨床心理士・公認心理師

臨床心理士・公認心理師。1988年生まれ。大阪府出身。大学院終了後、児童福祉施設の心理士として勤務。こどもの心理治療や保護者、保育士の相談業務に携わっている。一男の父。

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