こどもが大好きで色んな場面で活躍する「お歌」や「手遊び」。保育士や幼稚園教諭の皆さんはたくさん知っておききたいですよね!今回はその中からシンガーソングライターの近藤夏子さんが「もみじ」を実演してくれます。ぜひ動画でチェックしてみてください。
実演のポイント
「もみじ」は、秋の夕日に照らされる紅葉の美しさを情景豊かに歌う唱歌です。
実演では「秋の夕日に照る山紅葉」の冒頭で、両手を広げて山を描くようなジェスチャーを取り入れます。「濃いも薄いも」の部分では手の高さを変えて色の違いを表現し、「松を彩る楓や蔦は」は、手で緑や赤の葉の色を示すように動かすと視覚的な理解も深まります。
後半「渓の流れに散り浮く紅葉」では、手をゆっくり揺らして水面に浮く葉を表現し、「波に揺られて離れて寄って」のリズムで身体を左右に動かすと臨場感が高まります。
ゆったりとした抑揚のある歌唱で、子どもたちが情景を想像しながら声と動きを合わせる表現体験ができる時間になります。
保育者自身が紅葉の景色を思い浮かべ、情感豊かに歌うことで、子どもたちにもその世界が伝わります。
実演:近藤夏子
自分が歌っている歌詞の景色を思い浮かべながら歌いましょう。秋に色付く山々にむかって歌うような気持ちで、遠くにでも届くように!メロディーがとてものびやかなので、情景を思い浮かべるとより一層声に広がりがでます。1番の歌詞でいう”松を彩る”の部分からは息をたっぷり吐いて声に膨らみをもたせると抑揚がついていいと思います♪
対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児
歌詞は「夕焼け」「裾模様」「渓の流れ」など、自然の情景を丁寧に描く詩的な言葉で構成されており、言葉や自然への理解が育まれている3歳児以上に適しています。 年齢が上がるにつれ情景をイメージする力も高まります。
年齢別の「ねらい」
⚫︎3歳児:
秋の紅葉の色や形を身体表現と結びつけ、自然への興味を育てる。
⚫︎4歳児:
詩的な表現(山紅葉・裾模様・流水)を動作と結びつけ、語彙力や感受性を深める。
⚫︎5歳児:
手や声の強弱、旋律の流れに合わせて表現の幅を工夫する創造性を育む。
年齢別の「導入の仕方」
⚫︎3歳児:
「秋の山ってどんな色かな?赤や黄色を探してみようね」と導入。
⚫︎4歳児:
「松の緑と楓や蔦の赤の違いを見てみよう」と、色と葉の観察から導入。
⚫︎5歳児:
「もみじの葉が川に浮いている様子を想像してみよう。どう動くかな?」と情景を語りながら導入。
「もみじ」について
秋になると色付くもみじ。そのもみじが夕陽に照らされてより一層深く鮮やかな赤に見える。そんな素敵な景色を歌った曲。もみじの赤だけじゃなく、松の緑やその周りを彩った自然が作り出した色も歌の中で表現されています。日本にある素敵な”秋”をのびやかなメロディーに乗せて歌う、そんな曲です。
歌詞は「秋の夕日に照る山紅葉」「渓の流れに散り浮く紅葉」「水の上にも織る錦」など、美しい自然の色彩と動きを詩的に表現しており、子どもたちの情緒的な感受性や自然観察への関心を深めるのに最適です。
ゆったりした旋律は幼児にも歌いやすく、保育の導入や切り替え、秋の行事や自然遊びと連動する教育素材として活用しやすい一曲です。
おすすめの季節や月
秋(9〜11月)
紅葉が深まる季節に歌うと、自然観察や落ち葉製作、秋の散歩と連動させた活動にぴったりです。
歌詞
秋の夕日に 照る山もみじ
濃いも薄いも 数ある中に
松をいろどる かえでやつたは
山のふもとの すそもよう
たにの流に 散り浮くもみじ
波にゆられて はなれて寄って
赤や黄色の 色さまざまに
水の上にも 織るにしき
作詞・作曲
作詞:高野辰之
作曲:岡野貞一